2019年03月13日
クジャクのちょんまげ

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ニュース和歌山子ども版 2019年3月13日掲載
わかやま生き物クラブでの観察会
クジャクを観察した、さわさんのはてな

「クジャクのちょんまげはなぜあるの? もしかしたら体温調節するのかな」
さわさんは、以前にテレビで、ゾウは耳で体温調節する ことを見て、クジャクもそうかな と考えたそうです。なるほど。
◆頭の羽(冠羽)
クジャクのちょんまげは、頭の羽が長くのびたもの。冠羽(かんう)といいます。
クジャクの冠羽は、オスにもメスにあり、オスの冠羽はあざやかな青色です。
冠羽にはどんなはたらきがあるのだろう?
たとえば、カンムリヅルの華やかな冠羽。
緊張したり、気持ちが高まったりした時に、ぶわっと広がった場面を見たことがあります。

天王寺動物園のカンムリヅル
クジャクも、ちょんまげ(冠羽)を、広げるでしょうか

改めて観察してみると、、
冠羽の広がりは確認しなかったのですが、
じっと観ていて、ポケットさんがへーっと気づいたことは

クジャクがよく頭を小刻みに動かすこと
そのたびに、頭の青い羽が陽射しに反射してきらきら輝くこと

飼育員さんによると、クジャクの冠羽は1本ずつ生えかわり、繁殖期が終わる秋に、わりと多く、抜けるようです。
クジャクのオスが羽を広げて、メスに求愛するのも春から夏。
ちょんまげのあざやかな色も、もしかしたら、自分をPRする効果を高めることに関係するかもしれません
あくまでもポケットさんの勝手なすいりなので、皆さんで実際に観察してしらべてくださいね。
◆いつからちょんまげ?
発達の要因で、クジャクの冠羽を考えてみましょう。
飼育員さんの記録では、孵化(ふか)したてのヒナには冠羽はなく、孵化後、約1ヶ月で生え揃うそうです。
可愛いですね


写真 和歌山城公園動物園 飼育員 結城優里さん提供
インドクジャク 孵化後約1ヶ月のヒナと母親
◆とさか
体温調節に関わるちょんまげを、動物園内で見つけました!
ニワトリのとさかです。とさかは皮膚が発達したもの。細かな血管が通っています。
白クジャクとニワトリのちょんまげツーショット

さわちゃんが寄せてくれた「はてな」のおかげで、ポケットさんも、鳥の頭が気になるようになりました。
◆ちょんまげいろいろ
アオサギ(天王寺動物園で撮影 2019年2月16日)
モモイロペリカン(和歌山城公園動物園 2018年12月14日)
ほかにもいろいろなちょんまげがあります。
どんなはたらき?、いつ生えるの? など、調べたら教えてね。
2019年02月27日
鳥の体重どれくらい?

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ニュース和歌山子ども版 2019年2月27日掲載
前回に続いて、和歌山大学教育学附属小学校第4学年の子どもたちからの疑問
「フラミンゴの脚(あし)はあんなに細長いのに、どうして体を支えられるの? もしかしたら体重が軽いから?」
なるほど、体重と関わらせて考えたんですね

そこで、
ポケット「フラミンゴの体重、どれくらいかな?」
子どもたち「15キロくらい」 「20キロくらい」
「だって人間だったら、足とかに筋肉あるから、その分重いやん。でもフラミンゴやったら足が細いし、そんなに筋肉がなさそうやし」
少なく見積もって、15~20キロくらいと予想しました。
でも調べてみると、フラミンゴは大体2~4㎏(しかありません)。 子どもたちはえー!と驚きました。

◆体重と軽い骨
空を飛ぶ鳥は、骨がうすく軽いしくみになっています。
ポケットさんの自宅にある、フラミンゴの頭の骨。 わずか10グラム。1円玉10枚分の重さしかありません。

手の平にのせても、ふわっとした感触。
ちなみに、空を飛ばない鳥の体重を調べて見ると、
ペンギンは体が小さいですが、フラミンゴとほぼ同じ体重。
エミューは約50キログラムで、人間のおとなくらいの体重があります。
◆バランスのよい骨の配置
フラミンゴが、あの細長い脚(あし)で安定して立てるのは、骨の配置のバランスと関係があります。
『鳥の骨探 エヌ・ティー・エス』 のデータ
フラミンゴの骨の長さ
脚の甲(足根中足骨) 34cm
脚のすね(脛足根骨) 36cm
甲とすねの長さがほぼ同じ。
バランス良く立てる配置になっています。
それも1本足でずっと。。
フラミンゴのまねをして1本足で立ってみよう。どれくらいの時間、たっていられるかな?
2019年02月13日
フラミンゴの脚の筋肉

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ニュース和歌山子ども版 2019年2月13日掲載
小学校理科第4学年では、「人の体のつくりと運動 骨と筋肉」を学びます。
動物の骨と筋肉を、本物を観察して学ぼうと、和歌山大学教育学部附属小学校第4学年の子どもたちが、学校のすぐ近くにある、和歌山城公園動物園で授業を行いました。
動物園での観察♪
「あしをどうつかうかな?」
先生が動物園に持参した骨模型

ヒトの骨とくらべてみる
ポケットさんも、授業に呼んでいただき、動物の骨と筋肉のはてな



子どもたちとの対話内容を、先生が板書してくださったもの(一部)です。
今回は、はてな?が多く出た、フラミンゴのながーい脚(あし)

「フラミンゴの脚に筋肉がない・・?」
確かに細長い脚(あし)は、綿菓子の棒のようで、筋肉がないように見えます。
まず、あのながーい脚は、私たちの脚の、どの部分かを確認してみると、
フラミンゴの脚の真ん中あたりのふくらんだ部分は、私たちの足首、かかとになります。 ひざではありません。
だから曲がり方はこうなります

神戸市王子動物園で撮影した休息するフラミンゴ。
私たちが立っている姿勢と同じ状態です。
つまり、フラミンゴの長い棒のような脚は、私たちの足の甲と、すねの骨がそれぞれ長くなっている部分です。
筋肉は膝(ひざ)から上に多くついていて、外からは見えにくくなっています。
空を飛ぶ鳥類は、体の重心に重い筋肉を集めたつくりになっています。
すると、子どもたちから 「フラミンゴって空を飛ぶの??」
動物園では、空を飛ぶイメージがわかないのかも。。

フラミンゴは、餌となるプランクトンが発生する水場を求めて、たくさんの群れで空を飛び、移動します。
野生のくらしも調べてみてね。
関連記事 朝日新聞和歌山版「わかやま動物ウオッチング」
参考になる本 『骨と筋肉大図鑑3 鳥類 学研教育出版』

2018年11月28日
鳥の耳と聞こえ方

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ニュース和歌山子ども版 2018年11月28日掲載
小学校3年生のこうきさん(和歌山市内)から、飼っているセキセイインコの「はてな?」が届きました

「耳の形で聞こえる範囲はどう違いますか?インコを飼っていて、遠くの仲間の声に反応します。ウサギのような大きな耳がついていないのに・・・。ウサギの耳は意味があるのでしょうか?」
なるほど、耳の形と音の聞こえ方との関わりを考えたんですね!

こうきさんが飼っているセキセイインコ

羽毛にかくれて、耳がどこにあるか、見えませんね。それでも、音は良く聞こえている♪
今回は、耳の構造と音が聞こえるしくみ、そして、鳥の音の聞こえ方 を調べてみましょう。
◆耳のしくみ 音はどのように聞こえる?
参考にした本 くらべてみよう!人と動物のからだ4/ポプラ社

音を聞くこととは、ものがおこした振動(しんどう)を感じ取ることです。
耳介(外から見える、頭からでっぱった耳)であつめられた振動(しんどう)が、耳のあなを通って、鼓膜(こまく)に伝わります。
鼓膜(こまく)のしんどうは、小さな骨をつたわり、脳に送られ、音として聞きます♪

エミューの耳の穴!! 羽毛がまばらなのでよくわかります。
音はどの程度聞こえているのでしょうか?
◆鳥の音の聞こえ方
こうきさんのインコは音をどう聞いているのかな?
ポケット「遠くの仲間の声に反応するとは、どこにいる、だれのことかな? どのように反応するの?」
こうき「家の外にいるスズメや、ピッピと鳴く鳥の声が聞こえると、ピュイピュイと大きな声で鳴きます。その鳥の姿は見えない。でも、カラスの声には返事をしない。こわがってカゴの奥に逃げる」
飼っているインコは、スズメとカラスの音を聞き分けていることを、こうきさんは気づいているんですね!

ほかにも、パチッパチッと爪を切る音や、ハンガーを物干し竿にカチャカチャとかける音にも反応するそうです。
動物によって、音の聞こえる範囲(周波数:振動する数)は異なります。
たとえばつぎの種類の、聞こえる最大の音の高さ(最大周波数)は、
「数値でみる生物学/シュプリンガージャパン」に、こう書かれてありました。
本によってデータは違うので、参考として見てください。
カラス 8kHz(キロヘルツ)以下
カワラバト 12kHz
☆セキセイインコ 14kHz
スズメ 18kHz
コマドリ 21kHz
ちなみに ヒト 21kHz

鳥は、複雑な音を聞き分けられるようです。(鳥の生活/平凡社)
音の1つ1つのパルス(信号、脈のように動く回数)を
人間は1秒に20個聞くのに対して、
鳥は1秒に200個も聞けるそうです!!

地鳴き、警戒音、さえずりなど、鳥は様々な音色を出し、聞き分けています。
野生のセキセイインコは大きな群れでくらします、鳴き声でいろいろなコミュニケーションをとるのでしょうね。
こうきさんのセキセイインコは、豊かな音の世界を感じているんですね♪♪
でも、もし鳥に耳介があったら、もっとたくさんの音がきけるのでは?
◆鳥に耳介がないのは?
先ほどのエミューの写真では、少し、耳のふち(耳介)があるように見えます。
でも鳥には、音を集める耳介がほとんどありませんね。それはなぜだろう?

『鳥たちの驚異的な感覚世界 河出書房新社』 には、このような説が紹介されていました。
・羽が耳をおおい、飛ぶ時に空気をスムーズに流したり、水に潜る時に水が耳の中に入るのを防ぐ
・飛行への適応ともいわれるが、鳥の祖先の爬虫類は耳介をもっていないので、飛ぶことと関わって耳介を失ったかどうかは不明
なので、祖先も耳介がないから、鳥にもない とも考えられる
つまり、4つのアプローチでの、進化 での説明になります。
とすると、私たちを含めた、哺乳類に、なんでこんな耳(耳介)があるのかが、不思議になってきますね。
耳介 の はたらき は 次回 に! しゃれになってしまいました
